両神山周辺(埼玉) スズノ頭(1306m)、天理岳(1150m) 2021年1月9日  カウント:画像読み出し不能

所要時間 7:03 無料駐車場−−7:12 登山口−−7:42 七滝沢コース分岐−−8:04 尾根取付−−8:45 主稜線(標高1120m)−−8:57 岩場(下り)−−8:29 スズノ頭 9:31−−9:49 岩場(登り)−−10:22 天理岳 10:44−−10:54 主稜線を離れる(標高1080m)−−11:20 登山道−−11:35 登山口−−11:41 駐車場

場所埼玉県秩父郡小鹿野町
年月日2021年1月9日 日帰り
天候
山行種類概ね藪山
交通手段マイカー
駐車場日向大谷に登山者用駐車場あり
登山道の有無沢沿いはあり。主稜線上は踏跡あり。その他は無し
籔の有無ほぼ無し
危険個所の有無往路に使った尾根は岩場多く危険個所多数あり。主稜線は一か所だけ岩登りと言える岩あり。ただし正しいルート判断ができれば下りでもロープ不要なレベル。下りで使った尾根は登山道直前で岩場の連続
山頂の展望スズノ頭:無し
天理岳:僅かに南に開ける
GPSトラックログ
(GPX形式)
ここをクリックしてダウンロード
コメント両神山北部から東に延びる天武将尾根の2山を登る。スズノ頭は日本山名事典記載の山。通常は奈良尾峠から入って両神山に抜けるようだが枝尾根2本を使って両神山は割愛した。往路の尾根は急傾斜&岩が多く登りはかろうじてロープ不要だったが下りはロープ無しではヤバそうでお勧めできない。下りで使った尾根は登山道近くはヤバい岩場が登場したが、その手前の植林帯斜面を下れば安全に登山道に出られただろう。天理岳〜スズノ頭間は1か所だけ顕著な岩場あり。天理岳→スズノ頭方向だと下りとなりルートが分かりにくいが正面突破が正解。天武将尾根には正式な登山道は無いが踏跡&目印あり




無料駐車場。この一つ上にも無料駐車場あり 念のためにアイゼンを持った
古びた案内図 有料駐車場。でも冬季閉鎖中? 林道終点にも有料駐車場あり
近道へ。林道カーブをショートカットできる 本来なら奈良尾峠から天理岳へ登るのだが
両神山荘入口。害獣除けの柵あり 登山道
有名どころの山なので注意喚起標識が多い すぐに祠あり
七滝沢ルート分岐(右)。通行止めだが入る 崩壊箇所その1。危険はない
ベンチ登場 崩壊箇所その2.ここも危険はない。沢横断個所の崩壊が多いようだ
ここから尾根に取り付く、急斜面 標高870m付近。写真では分からないが相当の傾斜。下りは使えないだろう
標高960m付近の岩場。部分的に危険箇所あり 標高1000m付近の岩場
標高1050m付近の岩場。ここが最後の危険地帯 もうすぐ天武将尾根
天理岳 標高1120mで天武将尾根に乗る
1145m峰 1140m峰は北からトラバース気味に登る
1140m峰の下りは岩壁。こちらは南の小ルンゼ(使わなかった) 悩んだ挙句に正面突破が正解だった。下りでは分かりにくい
樹林の隙間から見た浅間山 気温は約-6℃。思ったよりは下がっていない
1130m鞍部から登り返し 標高1170m付近
標高1250m付近 標高1290m付近
スズノ頭山頂 真新しい布kumo登場。表裏はこんな文字
スズノ頭から見た両神山方面 1140m峰西側の岩壁。帰りは登りなのでルート判断しやすい
1080m鞍部東の岩。右を巻いた 岩を巻き終わって尾根へ復帰
天理岳直下は急で獣道で右へ巻いた 南尾根で踏跡に合流
天理岳直下の鎖場。こりゃ登山道だ 天理岳山頂。祠あり
天理岳から見た両神山 天武将尾根を東へ下る
標高1080mで南の枝尾根に。目印&踏跡あり 標高970m付近
標高950m付近 標高920m付近
標高870m付近。傾斜が急で足元が崩れてコケてしまった 標高820m付近
標高780m付近。これ以下で岩が登場 標高730m付近。尾根上を進めなくなり右へ迂回
迂回した斜面も急で崩れやすく危険だった 尾根に復帰すると眼下に登山道登場
登山道に合流 車道終点の有料駐車場(\1000)
私が止めた駐車場の一段上の無料駐車場 私が止めた駐車場。私の車のみ


・埼玉県内で未踏のまとまった山は両神山だけとなった。岩山なので雪が来る前に登ろうかと思っていたが、年末年始から数年に一度クラスの強烈な寒波が南下し、今週末は年末年始寒より更に強い寒波が。上空1500mで-15℃以下なので両神山山頂も-15℃を切っても不思議ではない。こんなときに登る標高の山ではないので周辺のもう少し低い山に登ることにして、まずは長野からのアプローチが最も近い天理岳とスズノ頭に決めた。

・これらの山には正式な登山道は無いが、ネットで調べると両神山登山口となる日向大谷から905m峰東の奈良尾峠へ上がり、天武将尾根を辿って天理岳、スズノ頭、両神山と登るのがスタンダードのようだ。このルートを往復してもいいのだが、地形図を見ると七滝沢沿いの両神山登山道から天武将尾根へ繋がる顕著な尾根がいくつかあり、これらを使ってルートを短縮することにした。ただしここは両神山周辺なので地形図には出てこない岩が尾根上にあるリスクもある。念のためのロープを持つことにしたが、これは下りで使うもので登れない岩が出たら諦めるか大きく巻くしかない。この規模の山なら巻くのは可能と考えた。

・往路は天理岳西側の1145m峰東に上がる尾根を使ってスズノ頭にまず登り、天武将尾根を東に向かって天理岳に登って下りはどの尾根を使うかは現場で判断しよう。

・冬型が強いので出発時は長野市内平地も雪。気温は既に氷点下を切って車や路面に雪が積もっている。雪は上田市街地中心地付近まで降っていたがそれ以東は雪が止んで路面が乾いていた。軽井沢から和美峠経由で下仁田に入り、南牧、上野から国道299号線で志賀坂峠を越えて埼玉入り。国道のすぐ南側が登山口に到る県道だが、両者を尾根が隔てているので尾根末端まで回り込んでから県道279号線へ。予想外にも道路脇に薄っすらと雪が残った場所があり、山の上も残雪を考えておかなければならないだろう。今回は軽アイゼンを持った。

・登山口となる日向大谷の登山者用駐車場がどうなっているのか事前に調べなかったが、道路脇に駐車場を発見。まあ、両神山は有名どころなので広い駐車場があって当然か。最初に目にした駐車場に車を入れたがその僅か上にも駐車場あり。そして更に上がって車道終点には有料駐車場もあった。なお下の2つの駐車場は町営の無料である。

・出発時の気温は思ったよりも下がらず、車のフロントウィンドウの水滴がかろうじて凍る程度であった。しかしここは谷間なのに風が強く、稜線上では体感的にかなり寒そうなので防寒具を多めに持った。寒いので水を飲を飲む可能性は低いが念のため100cc程持った。

・駐車場を出発してすぐに別の駐車場が登場。こちらは車は皆無だが、下山時は私以外の車は全てこちらの駐車場だった。ただし、歩いて数分程度なので大差ない。

・標高640m付近で車道から右に上がる階段に「登山道近道」の案内標識を発見、階段を上がっていく。この道の終点は両神山荘入口で車道終点でもあった。近道は車道がカーブする区間をまっすぐ登ってショートカットするための道であった。両神山荘入口は害獣除けの柵が設置されていた。

・両神山荘入口の僅か先に登山口があった。両神山は二百名山だか三百名山なので登山者が多いようで、様々な注意喚起標識が林立していた。そして最近どこかの登山口であったのと同じアナログ機械式カウンタが置いてあって押せとのことで一回カチっと押してカウントアップ。

・この先の登山道は薄川左岸を延々と高巻きしていく。さすがアルプスの山と変わらぬ良好な登山道で安心して歩ける。

・薄川本流と七滝沢合流点で登山道が分岐。私が向かうのは七滝沢方面だが、そちらは2年前の台風19号の大雨で登山道が崩壊して通行止め。これは登山口にも出ていたが、私の場合はずっと七滝沢コースを遡上するわけではないし、崩壊箇所があっても高巻きするので先へ進む。

・七滝沢コースへ入るとこれまでと違って最近人が歩いた形跡は薄く、落ち葉が降り積もっている。ただし最初は道は立派で崩れた箇所がなかなか登場しない。分岐から2つ目の沢で登山道が崩れているが大した危険はなく、土の斜面をキックステップで普通にトラバースできた。

・その先で登山道が一時的に尾根直上に乗る箇所ではテーブルとベンチが。これを見ると登山道が通行止めとは思えない。

・崩壊箇所はさらにもう一か所、沢の横断個所だった。ここも先の崩壊箇所と同程度の危険度であり、同じく土の斜面をキックステップでトラバースした。

・この先で比較的大きな谷が登場し、その右岸側の尾根を登ることにした。登山道はこの尾根でジグザグを切って高巻きの高度を上げていて、一番高いところから尾根に取り付いたが最初から傾斜がきつく、足元は不安定で崩れやすくてどうにか登れても下りでは使いたくない場所であった。まだあからさまな岩場は登場しないが、逆に足元が崩れない岩場の方が安全に登れるかもしれないと感じるような流れやすい場所が連続してタチが悪かった。

・標高960m付近で最初の岩場らしい岩場が登場。ここは凸凹が多いので傾斜は急でも正面突破。ここも下りはあまり使いたくない場所。これ以降は断続的に岩場が登場し、いつ通過不能な難関が出てくるのかドキドキしながら登っていった。

・次の危険個所は標高1000m付近の岩場。これも正面突破したが登りだからできることで、下りではロープが欲しいところ。

・最後の岩場は標高1050m付近。これまでの2箇所よりは危険度は低い。この後も岩っぽい箇所は登場するが普通に通過できるような場所であった。

・主稜線である天武将尾根直下では傾斜が増すが岩は無く、木に掴まりながらジグザグに登っていく。右手には顕著なピークの天理岳が枝越しに見えている。

・標高1120m付近で天武将尾根に乗ると踏跡や目印が登場。明らかに人が歩いている形跡が感じられる。しかしネットの記録ではスズノ頭までの間に少なくとも顕著な岩が1箇所はあることになっていて、そこが私の技術で通過可能か心配だ。

・1145m峰を越えると樹林が北に僅かに開けて昨年末に登った諏訪山が見えていた。次の1140m峰の登りは岩が登場するが踏跡は右を巻いてピークのてっぺんへ。ここは岩っぽくないが次の1430m鞍部への下りで問題の岩壁が登場。岩なので踏跡は残らず、それまであった目印はここには無くて自分でルート判断する必要がある。最初は岩の左側(南側)の小ルンゼを下ろうかとも思った。かなりの急傾斜だが手掛かり、足がかりがあるのでロープ無しでも下れないことはなさそうだがそれなりのリスクがある。垂直の壁に見える尾根直上はどうかと覗き込むが馬鹿正直に直進は本当に壁なのでロープ無しでは無理。右に回り込むように階段状に下れる場所があり僅かに進むと先ほどの小ルンゼより簡単に下れるルートを発見。傾斜もこっちの方が緩い。

・1430m鞍部から岩壁を見上げると全体像が見えるので登れそうなルートがすぐに見いだせるが、今回のように東から西へ抜ける場合は下りとなり全体像が見えないので要注意。

・その後は顕著な岩峰はなく安全に尾根上を進んでいく。岩っぽい尾根だからだろうか、落葉樹ではなく常緑部が多い場所もあって日当たりが悪く体感的に寒い。温度計を見ると-6℃と予想より高めであるが北寄りの冷たい風も相まって体感的にはもっと寒い。そういえば車道で見た雪は山の上では皆無で北斜面にも全く雪が無かった。これはどういうことなのだろうか? 謎だ。

・所々で北側の落葉樹林の隙間から北側の展望がちょっとだけ見えることがあり、真っ白な浅間山や昨年末に登った二子山の岩峰などが見えた。

・木の根が目立つスズノ頭直下の最後の登りを終えるとスズノ頭山頂に到着。山頂は常緑樹に覆われて日当たりも展望も悪い場所であった。山頂標識は皆無だが目印が2つ。そのうち一つは真新しい布kumoであった。布の色の鮮やかさからして取り付けられて数か月以内だろう。実はスズノ頭が日本山名事典に記載されているか未確認で、もしかしたら記載されていないのでは・・・と内心心配していたのだが、これがあるということは100%確実に日本山名事典に記載されている。良かったぁ。

・駐車場からここまで約2時間半でさほど疲労は感じないし、ここは日向が無く寒いので山頂で休憩はせずに天理岳に向かうことに。下りは往路で様子が分かっているので問題なし。1440m峰への岩壁の登りも簡単にクリアできた。

・もう岩場は無いかと思ったが1080m鞍部東で幕状の岩が登場。ここは右を巻いて簡単に尾根に復帰できた。

・尾根上の踏跡を進んで天理岳山頂手前の急斜面で踏跡が薄くなり、右に迂回するようなルートへ入る。結果的にはこれは踏跡ではなく獣道だったようで、進むと明らかにこれまでよりも道が薄くなったが藪があるわけでもなく問題なく進めるのでそのまま巻き続けると、天理岳から南に落ちる尾根で明瞭な踏跡に合流。奈良尾峠方面からのルートに違いない。このまま踏跡を北上して天理岳山頂を目指す。

・天理岳山頂直下で急な岩場にかかった鎖が登場。鎖があるくらいなので踏跡と言うより登山道なのかも。でも凹凸が多い岩なので鎖を使わなくとも突破可能だった。

・岩場を過ぎると天理岳山頂。地形図通りに平坦な山頂で低い祠あり。西端に手製の山頂標識が1つだけあり、そこから両神山方面に視界が開ける。ここから北へ踏跡が続いているので、これがスズノ頭方面の正式なルートなのだろう。

・祠付近は南に開けて日差しがあるのでこちらで休憩。正面に見える尾根には地形図に山名が記載されたピークは無く、日本山名事典に記載されたピークとして三笠山、エビ蔓ノ頭、二子山がある。地形図ではゲジゲジマークが多く尾根通しに歩けるのか不明だが、機会があれば行ってみたいところだ。休憩中にペットボトルの水を飲もうとしたら半分凍っていた。そうだよなぁ、冬はテルモスでないとダメだ。

・休憩を終えて出発。山頂直下の鎖場は鎖は使わずバックで慎重に下った。その後は岩は消えて普通の尾根に変わる。植林帯の尾根上には比較的明瞭な踏跡が続き藪は皆無で尾根も明瞭で道があっても無くても問題なく歩ける。

・このまま奈良尾峠まで尾根を東へ進もうかと考えていたが、標高1080mで右へ分岐する明瞭な尾根が登場。こちらにも目印と踏跡があり、地形図を開くとこの尾根を下ると往路の沢沿いの登山道へ合流できるので、ここを下ってみることにした。これだけ明瞭な踏跡があり植林帯なので、安全な作業道があるに違いないとの読みがあった。

・この尾根は緩やかで太い尾根で植林が続き、登山ルートとしての踏跡ではなく林業作業用の道だろう。問題はどこに下ろされるかであるが、できるだけ登山口に近い位置で登山道に合流したいところ。先に進むと尾根が分岐し始めて選択肢が出てくるが、とりあえず標高900m付近までは踏跡のある尾根を直進する。

・標高900m付近で踏跡は右の尾根=南に下る尾根に続くが、ここで左の尾根=南東に下る尾根に入った方が数100m程度登山道を歩く距離を短縮可能なので、踏跡は無いが植林が続く南東尾根に入る。標高800m前後は急傾斜で足元が崩れて2m程度だがザレた斜面を滑り落ちてしまった。冬で厚手のズボンを履いていたこと、落ち葉が多かったので怪我は無かったが、植林帯でも油断は大敵だ。この後も少しの間傾斜がきつい区間が続くので、尾根直上ではなく左を巻き気味に下った。

・それまでは尾根上に岩は皆無だったが、標高780m付近から岩が出始める。左斜面が植林帯の間は危険は無いが、左側も急傾斜となって自然林になっている標高730m以下では岩尾根が痩せて危険になってきた。標高730m付近では岩で尾根上を進むことができず右へ迂回。左は傾斜が急すぎて迂回不可能。しかし右側斜面もそれなりの傾斜でしかも足元が崩れやすく不安定。おまけに立ち木の間隔が広く掴まるものが少ない。滑落しないよう慎重に岩壁基部をトラバースして尾根に復帰。この先もヤバそうな岩の連続だが尾根の左側直下に登山道を発見。やや急な斜面だが岩は無く立ち木に掴まって登山道に降り立った。

・このように下りで使った尾根の末端付近は危険地帯でお勧めできないが、危険地帯に入る前、尾根左側(北側)が植林帯の箇所で尾根を外れて植林帯を下るのが正解だろう。最後は浅い谷地形を下って登山道に出ることが可能。天理岳への幟で使うのもいいだろう。

・あとは登山道を辿って登山口へ。車道終点の有料駐車場には数台の車が、私が置いた無料駐車場の一段上の無料駐車場には10台弱の車があったが、往復とも登山者には誰も会わなかった。こんなクソ寒い日でも両神山はそれなりに賑わっているようだ。

 

都道府県別2000m未満山行記録リスト

 

日付順2000m未満山行記録リスト

 

ホームページトップ